目次
第一回
導入
1. 日本人として西洋史を研究する際には、西洋人と同じ発想では意味がない。
オリエント―ギリシア・ローマ―中世―近代ルネサンス―現代
という枠組みは、西洋人が作り出したものであり、彼らにとっては真実である。
しかし、日本は西洋史を咀嚼することなく、そのまま受け入れてしまった。それが問題である。ヨーロッパで生まれた歴史を、ヨーロッパ人と同じ視点で考えてもしかたがない。日本という場で、日本人やアジアに住む人々が出会った西洋史について、考えることが重要なのではないか。西洋人の西洋史とは違う、日本人視点の西洋史を書くことが求められている。歴史は、私が私の場所に立って見ることに意味がある。
2. これから歴史を学ぶ際に考えること
歴史学は、従来のような
歴史研究―読解・分析―史料収集―読解分析構築―歴史研究
というプロセスに留まっていてはいけない。
歴史は、会社や個人、博物館や国家行事、記念物の築造、映画や演劇、テレビやラジオ、文学やアニメ、インターネットの世界や観光と、ありとあらゆる所に存在する。歴史学はあくまでも構成物の一にすぎない。これからの歴史学は、歴史表象と消費にかかわるすべての歴史過程として、分析・教育の対象とするべきである。
3. 歴史を学ぶ意義
歴史学は、知識を身につけるだけの学問ではない。歴史を生産するための知恵を身につけることが大切である。
授業は作り、表現する場。
「表現するために作り、表現することで作る。」
それが私の授業です。
♪大阪にはうまいもん、いっぱいあるんやで〜♪という巷の幼稚園で流行ってる歌があるがその曲はまったくのパクリである。元となったのはあの有名な♪ABCDEFG〜♪のABCの歌である。その歌を上手にアレンジし大阪のおいしいものを詩にしたものをのせたところピッタリとあったのだ!これはもはやパクリではない。これはハイブリディティなのである。歴史研究においてもハイブリディティが重要である。他国の研究をするわけだが、
コメント ハイブリディティとはパクリではない。他の文化をそのまま当てはめるのではなく自己の土壌に取り込んで適合するように変えてしまう!
藤川先生のお話を聞いて
コメント 西洋史という学問を閉鎖的な学問としてとどめておくのではなく、外に向けて発信しようとする心意気に感動しました。話のつなげ方、導入から本論への移り方がスムーズで、さすが藤川先生と思いました
A 簡単な事を難しい言葉でややこしくするのではなく、難しい事を簡単な表現で説明できるのは大切だと思いました。
※上記の要約からはわかりませんが、教授は話の要所要所にわかりやすい(ユニークな)例をおりまぜて語られました。気になる人は研究室までおこしください(笑)。
B 一番印象に残ったのは、普通の人には思いつかない話の展開でいつの間にか西洋史を学ぶことの重要さに気づかされたことです。幼稚園児の歌う歌からハイブリディティ、カウンターカルチャーへの話につながってゆくなど、何を聞くにも気が抜けないなぁと思いました。